37 |

龍を見た男
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新潮文庫
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313
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天に駆けのぼる龍の火柱のおかげで、見失った方角を知り、あやうく遭難を免れた漁師の因縁 表題作「龍を見た男」。駆落ちに失敗して苦界に沈んだ娘と、幼な馴染で彼女をしたう口がきけない男との心の交流「帰って来た女」。絶縁しながらも、相手が危難の際には味方となって筋を通す両剣士の意地「切腹」。その他、市井の人々の仕合せと喜怒哀楽を描いて卓抜な技柄を示す傑作時代小説集 <文庫本カバーより> |
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36 |

霜の朝
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新潮文庫
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308
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その財力を賭けて枠を競った相手の紀ノ国屋文左衛門は、悪銭廃止令によって没落した。勝ち残った奈良屋茂左衛門の胸を一陣の風が吹き抜けていった。紀文と共に一つの時代が過ぎていったようだ……表題作「霜の朝」ほかに、若い武家夫婦の無念 を晴らす下男の胸中「報復」や、意に添まぬ結婚をした女のあわれ「歳月」等、人の心に潜む愛と孤独を、円熟した筆に綴った時代小説傑作集 <文庫本カバーより> |
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35 |

刺客 用心棒日月抄
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新潮文庫
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347
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お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから、五人の刺客が江戸に放たれた。家中屋敷の奥まで忍びこんで、藩士の非違をさぐる陰の集団「嗅足組」を抹殺するためにである。身を挺して危難を救ってくれた女頭領佐知の命が危いと知った青江又八郎は三度び脱藩、用心棒稼業を続けながら、敵と対決するが……。好漢又八郎の凄絶な闘いと、佐知との交情を描く、代表作《用心棒シリーズ》第三編 <文庫本カバーより> |
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34 |

闇の梯子
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文春文庫
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290
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漆黒の闇に明滅するひそやかな人生絵図。藤沢作品初期の短篇を彩るその独自の色調は読者を魅了してやまない。酔いどれの叩き大工の哀歓をえがく「父と呼べ」、島送りの過去をもつだんまり老人と娘とのほのかな交流をえがく「入墨」、そして闇の世渡りに背を押されるように墜ちてゆく男たちの宿命をえがく表題作ほか二篇を収録 <文庫本カバーより> |
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33 |

彫師伊之助捕物覚え 漆黒の霧の中で
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新潮文庫
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274
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竪川に上った不審な水死人の素性を洗って、聞きこみを続ける伊之助の前にくり広げられる江戸の町人たちの人生模様——。そして、闇に跳梁する謎の殺人鬼による、第二、第三の殺人——。伊之助の孤独な探索は、大店の主人や寺僧たちの悪と欲の世界を明るみに出すが……。元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助を主人公とする、絶妙の大江戸ハードボイルド。シリーズ第二弾
<文庫本カバーより> |
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32 |

暁のひかり
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文春文庫
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288
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朝の清々しい光のなかを娘は竹竿に縋って歩いてゆく。一心不乱、黒い眸を活きいき輝かせ歩く稽古をしているのだ。それは疲労しきった男の胸に沁みた。男の身体は賭場の匂いに濃くつつまれている。博徒の孤独な心象を鮮かにえがく表題秀作のほか、人足、荒くれなど、巷のはぐれ者たちの哀切な息づかいを端正に捉えた短篇名品集 <文庫本カバーより> |
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31 |

よろずや平四郎活人剣下
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文春文庫
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453
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世にもめごとの種はつきぬとはいえ、依頼主のもち込む話は多彩をきわめる。中年夫婦の離縁話、勘当息子の連れもどし、駆け落ち娘の探索等々。武家とちがい、万事気儘な裏店にも、悲哀にみちた人生絵図がある。円熟期にあるこの作家の、代表的短篇連作シリーズ、恋々佳境。人の姿、世の姿の哀切な陰影を、端正に写し出す話題作 <文庫本カバーより> |
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30 |

よろずや平四郎活人剣上
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文春文庫
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419
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神名平四郎。知行千石の旗本の子弟、しかし実質は、祝福されざる冷や飯食い、妾腹の子である。思い屈し、実家を出奔、裏店に棲みついたまではよいのだが、ただちに日々のたつきに窮してしまう。思案の揚句、やがて平四郎は奇妙な看板を掲げる。……喧嘩五十文、口論二十文、とりもどし物百文、よろずもめごと仲裁つかまつり候 <文庫本カバーより> |
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29 |

人間の檻
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講談社文庫
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333
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病気の亭主に代って、店を取り仕切る女房おむらに挑みかかった槌屋彦三郎の頸をしめた手代新助は、情状を汲まれて八丈遠島と決まった。新助の身を案ずるおむら。一件落着と見えた事件の裏には、匂うような女の性が……「女の部屋」。颯爽、柔の冴えで悪に挑む好評シリーズ・獄医立花登手控え、ここに完結
<文庫本カバーより> |
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28 |

密謀下
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新潮文庫
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296
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秀吉の遺制を次々と破って我が物顔の家康に対抗するため、兼続は肝胆相照らす石田三成と、徳川方を東西挟撃の罠に引きこむ密約をかわした。けれども、実際に三成が挙兵し、世をあげて関ケ原決戦へと突入していく過程で、上杉勢は遂に参戦しなかった。なぜなのか——。著者年来の歴史上の謎に解明を与えながら、綿密な構想と壮大なスケールで描く渾身の戦国ドラマ
<文庫本カバーより> |
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27 |

密謀上
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新潮文庫
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353
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織田から豊臣へと急旋回し、やがて天下分け目の関ヶ原、へと向かう戦国末期は、いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ちかまえていた。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが、知謀の将として聞える直江兼続。本書は、兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した、興趣尽きない歴史・時代小説である
<文庫本カバーより> |
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26 |

闇の穴
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新潮文庫
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260
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わたしを棄てた男が帰ってきた。大江戸の裏店でそっとともした灯を吹き消すような暗い顔。すさんだ瞳が、からんだ糸をひくように、わたしの心を闇の穴へとひきずりこむ——。ゆらめく女の心を円熟の筆に捉えた表題作。ほかに、殺人現場を目撃したため、恐怖心から失語症にかかってしまった子供を抱えて働く寡婦の薄幸な生を描く「閉ざされた口」等、時代小説短編の絶品七編を収める <文庫本カバーより> |
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25 |

霧の果て
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文春文庫
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345
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北の定町回り同心・神谷玄次郎。探索の手腕は卓抜、加えて冴えた剣技の持主なのだが、上の方の評判は芳しくない。このはぐれ同心は、馴染んだおかみの料理屋の二階に起臥する自堕落者なのである。……そんなある日、川に女が浮いた。死体の頭には絞めた紐の跡と針で突いたような小さな傷。あいつが帰ってきた、玄次郎は呟いた
<文庫本カバーより> |
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24 |

逆軍の旗
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文春文庫
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269
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「時は今あめが下しる五月哉」明智光秀はその日の直前こう発句した。坐して滅ぶかあるいは叛くか。天正十年六月一日、亀山城を出た光秀の軍列は本能寺へとむかう。戦国武将のなかでもひときわ異様な謎につつまれたこの人物を描き出す歴史小説。他に「上意改まる」「幻にあらず」「二人の失踪人」など三篇を収める異色歴史小説集
<文庫本カバーより> |
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23 |

驟り雨
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新潮文庫
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306
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激しい雨の中、一人の盗っ人が八幡さまの軒下に潜んで、通り向いの問屋の様子を窺っていた。その眼の前へ、入れかわり立ちかわり雨やどりに来る人々。そして彼らが寸時、繰り広げる人間模様……。表題作「轢り雨」をはじめ、「贈り物」「遅いしあわせ」など、全十編を収める。抗いきれない運命に翻弄されながらも江戸の町に懸命に生きる人々を、陰翳深く描く珠玉の作品集
<文庫本カバーより> |
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22 |

又蔵の火
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文春文庫
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320
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表題作は、歴史の傍らに埋れた小さな事件を素材に描く異色短篇小説。羽州荘内藩・土屋又蔵と丑蔵。叔父・甥としてつながる両人の、同族相討つ棲槍無残の果し合いの一部始終を、抑制された筆致で描きだし、異様な興奮と感動を呼んだ。ほかに「帰郷」「賽子無宿」「割れた月」など、この作家初期の秀作を収める
<文庫本カバーより> |
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21 |

愛憎の檻 獄医立花登手控え③
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講談社文庫
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294
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御存じ小伝馬町の青年獄医立花登シリーズ第三弾。娘の重病を治してもらったお礼にと、登に未解決の三年前の一家七人殺しの情報をもらした、入牢中の鋳かけ屋嘉吉が殺された。牢の中に兇悪な殺人者が……、犯人を追って江戸の町を駆ける登「奈落のおあき」。起倒流の柔術の技と推理が冴える話題の連作集
<文庫本カバーより> |
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20 |

孤剣 用心棒日月抄
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新潮文庫
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392
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藩主毒殺の陰謀の証拠書類を持って姿を消した者がいる。藩取り潰しを目論み、公儀隠密も暗躍する。お家の危機を救うべく密命を帯び、青江又八郎は再度脱藩した。所は江戸、用心棒稼業で糊口を凌ぐ日々、目指す書類は何処に——。用心棒の行く先々で、次々起こる怪事件を、江戸に生きる人々の人情に織りあわせて描く、時代小説の魅力を鏤めた長編小説シリーズ第二作
<文庫本カバーより> |
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19 |

闇の傀儡師下
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文春文庫
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315
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とおく慶安の昔から将軍職継承に絡み不穏な動きをつづける謎の集団・八嶽党。右近将監とその闇の徒党との争いは日々熾烈な展開をみせ、鶴見源次郎の身辺も次第に血の匂いにみちてくる。そしてついに、世子・大納言家基が奇怪な最期をとげる。毒殺説が流布され、激昂した将監は田沼を激しく追及するのだが……
<文庫本カバーより> |
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18 |

闇の傀儡師上
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文春文庫
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301
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筆耕稼業で気儘に暮らす御家人くずれの鶴見源次郎は、ひょんなことから深手を負った公儀隠密をたすけ、松平家へ宛てた密書を託される。紙片には「八は田に会す、ご用心」とある。田とは老中・田沼意次。そして八とは八嶽党。それは幕府を怨み連綿と暗躍をつづける謎の徒党であった。伝奇小説風の色彩あざやかな本格時代小説
<文庫本カバーより> |
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17 |

時雨みち
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新潮文庫
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316
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にがい思い出だった。若かったとはいえ、よくあんな残酷な仕打ちが出 来たものだ。出入りする機屋の婿養子に望まれて、新右衛門は一度は断ったものの、身籠っていたおひさを捨てた。あれから二十余年、彼女はいま、苦界に身を沈めているという……。表題作「時雨みち」をはじめ、「滴る汗」「幼い声」「亭主の仲間」等、人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文体で綴った時代小説集 <文庫本カバーより> |
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16 |

隠し剣秋風抄
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文春文庫
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333
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就寝前、一滴の読書。一作ずつ惜しみつつ頁を繰る。気難しい読者をこれほど満した時代小説は昨今稀れである。好評“孤影抄”八篇につづく九篇の佳作。剣の遣い手は更に多彩。薄緑の呑んだくれ剣士のくぐもった悲哀を描く『酒乱剣石割り』、醜男にもそれなりの女難ありと語る『女難剣雷切り』など異色剣客小説集
<文庫本カバーより> |
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15 |

春秋山伏記
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新潮文庫
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284
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白装束に高足駄、髭面で好色そうな大男が、羽黒山からやって来た。はじめ彼は村びとから危険視され、うさん臭く思われていたが、子供の命を救ったり、娘の病気を直したりするうち、次第に畏怖と尊敬の眼差を集めるようになった……。年若い里山伏と村びとの織りなすユーモラスでエロティックな人間模様のうちに、著者の郷里山形県荘内地方に伝わる習俗を小説化した異色の時代長編
<文庫本カバーより> |
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14 |

夜の橋
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中公文庫
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329
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無頼の男民次の心の中にふと芽生えた一掬の情愛——雪散る江戸深川の夜の橋を舞台に、男女の心の葛藤を切々と描く表題作ほか、多彩な人間模様を哀感こめて刻む自選傑作時代小説8篇
<文庫本カバーより> |
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13 |

隠し剣孤影抄
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文春文庫
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348
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剣客小説のジャンルに新たなかたちを示したシリーズとして好評の〝隠し剣〟連作集八篇。凶々しいばかりに研ぎ澄まされた剣技を秘める主人公たち、またその技凄じきゆえ、その身に悲運を呼ぶ暗い因果。この作家ならではの色調と静かな語りで展げられる名品集である。「邪剣竜尾返し」「宿命剣鬼走り」など。
<文庫本カバーより> |
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12 |

風雪の檻 獄医立花登手控え②
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講談社文庫
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272
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登と同じ鴨井道場の三羽烏のひとり新谷弥助の身に、いったい何が起こったのか。道場に行くと言って家を出るが、実は深川の地回りの男たちと飲み回っているという。弥助の行方を追う登の前に立ちはだかる悪。その背後に見えかくれする弥助の影——。獄医立花登が人情味豊かに事件を解く好評シリーズ第二弾。
<文庫本カバーより> |
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11 |

神隠し
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新潮文庫
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309
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伊沢屋の内儀お品が不意に姿を消した。三日後ひょっこり戻ってきたが、やつれながらも何故か凄艶さを漂わせている……。意表をつく仕掛けの表題作ほか、家出した孫の帰りを待ちわびる老婆を襲う皮肉な運命『夜の雷雨』、記憶を失った娘が子供のない夫婦にもたらしたひと時の幸福『小鶴』など、市井に生きる人々の感情の機微を、余情溢れる筆致で織り上げた名品全11編
<文庫本カバーより> |
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10 |

彫師伊之助捕物覚え 消えた女
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新潮文庫
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363
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版木彫り職人の伊之助は、元凄腕の岡っ引。逃げた女房が男と心中して以来、浮かない日を送っていたが、弥八親分から娘のおようが失踪したと告げられて、重い腰を上げた。おようの行方を追う先々で起こる怪事件。その裏に、材木商高麗屋と作事奉行の黒いつながりが浮かびあがってきた……。時代小説の名手・藤沢周平が初めて挑んだ、新趣向の捕物帖——シリーズ第一作
<文庫本カバーより> |
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9 |

橋ものがたり
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新潮文庫
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334
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幼な馴染のお蝶が、仕事場に幸助を訪ねてきた。奉公に出るからもう会えないと、別れを告げるために。「五年経ったら、二人でまた会おう」年季の明けた今、幸助は萬年橋の袂でお蝶を待つが……。(「約束」)様々な人間が日毎行き交う江戸の橋を舞台に演じられる、出会いと別れ。市井の男女の喜怒哀楽の表情を瑞々しい筆致に描いて、絶賛を浴びた傑作時代小説。
<文庫本カバーより> |
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8 |

雲奔る 小説・雲井龍雄
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文春文庫
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293
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米沢藩士・雲井龍雄。安井息軒の三計塾きっての俊才と謳わる。やがて幕末狂乱の嵐は奥羽列藩に及び、会津鎮撫の挙に出た薩摩に、龍雄は激しく慣り、「討薩ノ檄」を懐に奔走する。薩賊の兵、東下以来、侵掠せざる地なく、鶏牛をぬすみ、婦女に淫し……。討薩ひとすじに二十七歳の短く激しい生を生きた悲劇の志士を描く異色長篇
<文庫本カバーより> |
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7 |

冤罪
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新潮文庫
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426
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部屋住みの若侍堀源次郎には、ひそかに心を寄せる娘がいた。散歩のた びに目顔で挨拶をかわす、坂下の家の娘である。ところがある日、お目あての娘の姿が消え、彼女の父親相良彦兵衛が藩金横領の咎で詰め腹を切らされたことが判明した。不審に思った源次郎は疑惑追及に乗り出すが……。表題作はじめ、『潮田伝五郎置文』『臍曲がり新左』等、興趣あふれる《武家もの》時代小説全9編。
<文庫本カバーより> |
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6 |

時雨のあと
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新潮文庫
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258
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身体を悪くして以来、すさんだ日々を過す鳶の安蔵。妹みゆきは、兄の 立ち直りを心の支えに、苦界に身を沈めた。客のあい間に小銭をつかみ兄に会うみゆき。ふたりの背に、冷たい時雨が降りそそぐ……。表題作のほか、『雪明かり』『闇の顔』『意気地なし』『鱗雲』等、不遇な町人や下級武士を主人公に、江戸の市井に咲く小哀話を、繊麗に、人情味豊かに描く傑作短編全7話を収録。
<文庫本カバーより> |
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5 |

春秋の檻 獄医立花登手控え①
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講談社文庫
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295
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島送りになる若者の頼み事。無実を訴える男の正体。御家人毒殺未遂の真相。恋人を刺した女囚の愛憎。さまざまな暗い人間模様が江戸小伝馬町の牢屋に持ちこまれる。小さな罪の背後にうごめく大きな悪。心優しい青年獄医立花登が市井の人情も細やかに、柔術の妙技と推理の冴えを見せて事件を解く時代連作集。
<文庫本カバーより> |
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4 |

竹光始末
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新潮文庫
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270
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世の中変っても、変らないのは男の心——。一家の糊口を凌ぐために刀を売り、竹光を腰に仕官の条件である上意討へと向う浪人の心意気『竹光始末』。口喧しい女房を尻目に、藩の危機を未然に防ぐ一刀流剣士の手柄『恐妻の剣』。他に『石を抱く』『冬の終りに』等、小説巧者藤沢周平が、世の片隅で生きる男たちの意地と度胸を、ユーモラスに、陰翳豊かに描く傑作時代小説全6編。
<文庫本カバーより> |
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3 |

用心棒日月抄
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新潮文庫
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402
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家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。が、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれ、請負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に……。江戸の庶民の哀歓を映しながら、同時代人から見た「忠臣蔵」の実相を鮮やかに捉えた、連作時代小説である。
<文庫本カバーより> |
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2 |

義民が駆ける
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中公文庫
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349
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時の老中水野忠邦の指嗾による三方国替え。苛酷な幕命に抗し庄内領民は大挙して江戸にのぼり幕閣に強訴を行い、ついに将軍裁可を覆し善政藩主を守り抜く。天保期庄内を震撼させた義民一揆の始終
<文庫本カバーより> |
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1 |

暗殺の年輪
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文春文庫
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300
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藩の権力争いの蔭で苛酷な宿命に翻弄される下級武士……。武家の非情な掟の世界を端正な文体と緻密な構成で描き、直木賞を受賞した表題作。ほかに、暗澹たる人生を歩み続ける男たちの生きざまに深い共感をこめた「黒い繩」「ただ一 撃」など四篇を収める。本格時代小説のみがもつ味わいと風格を感じさせる傑作集。
<文庫本カバーより> |
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